2025年5月20日(火)原油市場の動向まとめ
~材料の交錯で様子見ムード継続、小幅続伸も方向感に欠ける展開~
2025年5月20日(火)の原油市場は、前日に続き小幅な値動きにとどまりました。WTI原油(中心限月)は62.69ドル(+0.20ドル、+0.32%)、ブレント原油も65.54ドル(+0.13ドル、+0.20%)と小幅に上昇しましたが、明確な方向感は見られず、市場には引き続き「様子見ムード」が広がっています。
原油価格の確認
指標 | 終値(5月20日) | 前日比 | 備考 |
---|---|---|---|
WTI原油(中心限月) | $62.69 | +$0.20(+0.32%) | 米イラン協議の停滞で供給懸念やや優勢 |
ブレント原油 | $65.54 | +$0.13(+0.20%) | 同様の要因 |
原油価格の変動要因
■ 米イラン核協議の行き詰まり
米国とイランの核協議に進展が見られず、イラン産原油の市場復帰は遠のいたとの見方が広がりました。これが供給面での不安を呼び、価格を支える一因となりました。
出典:OANDA
■ 米国と中国の経済不安
一方で、米国の信用格下げと中国の4月の工業生産・小売売上高の鈍化が、市場のリスク選好姿勢を抑制。原油需要の減少リスクを意識させ、上値を抑えました。
出典:Reuters
原油市場の材料整理(2025年5月20日時点)
分類 | 内容 |
---|---|
好材料(上昇要因) | ・米イラン核協議の停滞による供給不安 |
悪材料(下落要因) | ・米国の信用格下げ → 経済減速懸念 ・中国の経済指標の鈍化 → 需要後退リスク |
市場のムード:慎重姿勢が支配
ここ2日間、原油市場は60ドル台前半でのレンジ内での推移が続いています。供給リスクと需要懸念がせめぎ合う中、市場は新たなトレンドを見出せず、明確な方向感は見られません。参加者の多くはポジションを取りにくく、「次の材料待ち」といった様相です。
今後の注目点
- 米国とイランの核協議:供給再開か継続停滞か、今後の交渉の行方が注目。
- 米・中のマクロ経済指標:需要見通しの鍵となる経済成長の動向。
- OPEC+の動き:6月の生産計画や価格安への対応が焦点。
- 地政学リスク(中東・ウクライナ):突発的な供給不安は引き続き警戒対象。
原油市場は今、需要と供給の材料がせめぎ合う「均衡状態」にあり、市場のセンチメントも慎重そのものです。レンジ相場が続く一方で、新たなトリガーが出れば急変の可能性もあるため、引き続き柔軟な姿勢で臨む必要があります。
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