原油価格が年初来最安|市場が注目する3つの要因とは?【2025年5月1日】

原油価格の動向(2025年4月30日終値)

指標終値(前日比)備考
WTI原油(6月限)$58.21(-3.66%)2021年3月以来の安値
ブレント原油(7月限)$63.12(-1.76%)2021年11月以来の月間下落率

出典:Reuters

本日のWTI価格は年初来安値を更新、年初から約19%安となりました。


原油価格下落の背景

1. 米国経済の減速

米国商務省の速報値によると、2025年第1四半期の実質GDPは年率換算で-0.3%と、3年ぶりのマイナス成長となりました。これは、トランプ政権による新たな関税政策に先駆けて企業が輸入を急増させたことが主因で、記録的な貿易赤字がGDPを4.8ポイント押し下げました。​

出典:U.S. Bureau of Economic Analysis

2. OPEC+の増産観測

OPEC+は、5月に日量41.1万バレルの増産を実施することを決定しており、6月にもさらなる増産が検討されています。特にサウジアラビアは、価格下落を容認しつつ、市場シェアの拡大を狙っていると報じられています。​

出典:Reuters

3. 米国原油在庫の増加

米エネルギー情報局(EIA)のデータによると、4月25日までの週に米国の原油在庫が前週比で376万バレル増加しました。これは市場予想を上回る増加であり、供給過剰への懸念が強まりました。​

出典:Trading Economics


原油価格の材料整理(2025年5月1日時点)

分類内容
好材料(上昇要因)中東地域の地政学的リスク<br>- OPEC+の協調減産の継続
悪材料(下落要因)米国経済指標の悪化(GDPマイナス成長)<br>- OPEC+の増産観測<br>- 米国原油在庫の増加

その他の関連ニュース

中国、成品油価格の据え置き

中国国家発展改革委員会は、2025年4月30日24時の成品油価格を据え置くと発表しました。これは、国際原油価格の変動が小幅であったため、調整幅が基準に達しなかったためです。​

出典:新浪新闻


今後の注目点

  • OPEC+の会合(5月5日):​6月の増産が決定されるかどうかが注目されます。
  • 米国経済指標の発表:​今後のGDPや雇用統計などが原油需要の見通しに影響を与える可能性があります。
  • 地政学的リスク:​中東地域の情勢が原油供給に影響を与える可能性があります。​

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