【原油市場 週間展望】2025年4月12日(土)~18日(金)の注目イベントと相場見通し


世界のエネルギー市場は今、米中の関税問題、在庫増加、そして地政学的リスクなど多くの不確実要因にさらされています。来週(4月12日~18日)は、重要な統計や発表が相次ぎ、原油価格の方向性を占うカギとなりそうです。


■ 来週の主なスケジュールと注目ポイント

◆ 4月14日(月)|経済産業省「石油統計(2月分)」
国内の石油需給バランスが明らかに。特にガソリンや灯油の在庫水準に注目。需要減少が見られれば、国内市場の重しとなる可能性あり。

◆ 4月16日(水)|EIA「米国週間石油在庫統計」
原油在庫の増減は市場の最大関心事。先週は予想を上回る260万バレルの在庫増。今週も増加となれば、需給悪化懸念が再燃。

◆ 4月17日(木)|中国「第1四半期GDP」発表
世界最大の原油輸入国・中国の経済成長率が注目される。予想下振れなら、エネルギー需要の先行きにマイナス材料。

◆ 4月18日(金)|米「4月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)」
米国の個人消費動向を示す指標。消費マインドの低下は原油需要にも影を落とす可能性あり。


■ 先週の振り返り:原油価格は年初来安値圏へ

WTI原油先物は、週初に60ドルを一時割り込み、週末時点でも61ドル台と低空飛行を続けました。要因は次の3つ:

  • 米中の報復関税による世界経済の減速懸念
  • OPECプラスによる5月からの増産計画(+41万バレル/日)
  • 米国の原油在庫が大幅増(EIA報告)

これらが重なり、市場は「供給過剰 vs. 需要鈍化」の構図に警戒感を強めています。


■ 来週の展望:不安定な地合い続く

需給両面に不透明感が漂うなか、原油相場は神経質な展開が続くと予想されます。

  • 需給面:OPECプラスの増産と米国の在庫動向が焦点。連続在庫増なら価格下落圧力。
  • 需要面:中国と米国の経済指標次第では、買い戻しの機運も。ただし下振れならさらなる安値試しも。
  • 地政学リスク:イランやウクライナ情勢が急変した場合、一時的な価格反発の引き金に。

■ 総括:イベント満載の一週間、価格の下値リスクに注意

来週は、重要指標の集中週。原油市場はそれらの結果に敏感に反応し、方向感を探る展開となりそうです。トレーダーにとっては、「仕込み」より「見極め」の週になるかもしれません。


コメント

タイトルとURLをコピーしました