週間原油価格の動向(4月14日〜18日)
- WTI原油先物(6月限):週初の61.17ドルから週末には64.01ドルへと上昇(+4.6%)
- ブレント原油先物:週初の64.49ドルから週末には66.40ドルへと上昇(+3.0%)
週前半は米中貿易摩擦の激化による需要減速懸念から下落しましたが、週後半には米国の対イラン制裁強化やOPEC加盟国の追加減産計画が報じられ、供給懸念が高まり反発しました。
今週の注目材料まとめ(要点整理)
種別 | 内容 |
---|---|
好材料 | – 米国がイランへの追加制裁を発表(供給懸念) – OPEC加盟国(イラク・カザフスタン)の追加減産表明 – 米欧貿易交渉の進展期待(需要回復期待) |
悪材料 | – 世界的な景気減速懸念(欧州・中国中心) – ゴールドマン・サックス等による原油価格見通しの下方修正 – 高水準の米国原油在庫(EIA週報で増加継続) |
来週の展望(2025年4月21日〜25日)
📅 経済指標スケジュール(予定)
日付 | 指標 | 注目点 |
---|---|---|
4月22日(火) | 米国API週間原油在庫(非公式) | 市場予想との乖離に注目 |
4月23日(水)23:30(日本時間) | EIA週間石油在庫統計 | 原油・ガソリン・留出油の在庫推移に注目 |
4月23日(水) | 中国 第1四半期GDP(確報値) | 景気減速懸念が原油需要に影響 |
4月25日(金) | 米国PCEデフレーター(FRBが注目するインフレ指標) | 利上げ観測・景気後退懸念に波及可能 |
潜在的なリスク要因(未反映材料)
- 米国CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)スプレッドの上昇:
財政問題への警戒感が広がれば、金融市場全体のリスク回避姿勢が強まり、原油にも波及しかねません。 - 中東地政学リスク:
イラン、イスラエル、シリア情勢の不透明感が続いており、突発的な供給混乱の可能性は依然あり。 - 中国の政策対応次第:
成長鈍化に対して中国政府がどのような景気刺激策を取るかにより、原油需要の持ち直しの可否が左右されます。
総括
今週の原油市場は、米中貿易懸念や価格予測の引き下げで下値を試す局面から、イラン制裁とOPEC減産による供給懸念で反発するという、「需要不安 vs 供給不安」の綱引き相場でした。
来週は、
- 米中・米欧の貿易交渉の行方、
- EIA週間在庫統計の内容、
- 中国と米国の重要経済指標
これらが焦点です。
価格上昇トレンドが持続するか、それとも反落するかは、これら「需給の分岐点」となる材料にどう市場が反応するかにかかっています。
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